大概にして
存在がなくなってから
その存在の大きさを知る
「生」と「死」が等しいと
結びつく所以なのかもしれない
そんなことを
ぼんやりと思う
そもそも
呼吸の音はとても静かであったのに
しっかりと存在していた
完全に無音になった部屋が
それを証明している
あまりに静かで
色すら感じない
悲しいとか
寂しいとか
辛くてたまらないとか
そういった感情は
どこかに追いやっている
しかしやがて
それは目の前にやって来るだろう
その時には
ちゃんと泣いて
ちゃんと寂しがりたい
そうすることで
一緒に居た幸せな時間と
温かかった尊い存在を
しっかりと感じることができるはずだ
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