私を形どるように
冷たい風が通り過ぎた
冬が好きな自分
なぜ好きなのか
理由を考えた
すべてが削ぎ落とされた
シンプルな光景に
本来の自分を感じるから
それを知っていると
何があっても
強く居られる
だから好きなんだと思う
でね、
梅の花がやさしく香り出すと
心躍る私を包むように
ふんわりと柔らかい風に変わってゆく
新芽が芽吹き
花々が咲き誇り
蝶が舞う
なんと素敵な光景なのだろう
何も無かったところに
拡がる春の空気は
何も無かった私の心に
優しい色をつけ始める
瞳を閉じて
耳を澄ませて
新しいはじまりを告げる鳥たちの
美しい声に聴き入る
強さと優しさは
等しいものであると
教えてくれた冬の風
午後の散歩道
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